Soft landing | 整形外科医(ryuuta19)の独り言

Soft landing

僕は今ある大学病院に在籍して、毎日骨軟部腫瘍の患者さんとお話し、診断し、治療を行っている。整形外科医で骨軟部腫瘍を専門にしちゃうことはそんなにない。なぜなら骨軟部腫瘍の領域は、患者さんが亡くなることが多くて、整形外科医はふつー敬遠することが多いからだ。関節や手や脊椎を専門にしていても、そんなに「ご臨終です」という機会は少ない。

 

 

 

とはいっても大学病院で亡くなる患者さんは年に2-3人程度なのでそんなに多いわけでもない。もうすでに手のつくしようがない患者さんなので、どうやってsoft landingというか、痛みや苦しみをできるだけとって見送りたいと思っている。緩和ケアチームが幸い存在するので、チームと連絡をとりながら看取ることになる。

 

 

 

患者さんの死に立ち会うたびに思うのは、何か患者さんにプラスになるようなことをできたのかな、ということだ。プラスになる、というのは一人一人違うから難しい。果たしてそれでよかったのかなあと思ってしまう。

 

 

 

ひるがえって自分ならどうしたいのだろうと思う。点滴さえ拒否する患者さんもいた。(結局どうしようかかなり迷いに迷って1日1本だけ点滴してしまった) soft landingは難しい。寝ている間にくも膜下出血ぐらいで亡くなったほうがよいかもしれない。でも悪性腫瘍で亡くなるときは時間的余裕がくも膜下出血よりかはあるから、最後にお別れが言えるかもしれない。どちらがいいだろう。