刺青-tatoo | 整形外科医(ryuuta19)の独り言

刺青-tatoo

僕ら医療関係者はどうしても患者さんの体をみないことには仕事ができない。



ということで色んな刺青を見ることができる。今風にタトゥーと言った方がいいのかな?



ばりばりに彩色し本当に「芸術」と感嘆するようなものから、まーちゃちい気合の入ってないものまである。刺青の入れ具合で、その人の本気度を知ることができる。


彼女の名前だけ彫ってあるもの。おい別れたらどうするのよ、と聞いてみたくなる。


一番多い絵柄は、竜とか虎とか。あと多いのはツバキの花。なんでみんな花の絵はツバキなんだろう。桜吹雪じゃ遠山の金さんになるからだろうか。菊は葬式の花だから縁起が悪いのかな?例えばコスモスとか綺麗で良いんじゃないかと勝手に思うのだけど、その方面に詳しい方、教えてください。



刺青をみると医療関係者は何を思うのか。





肝炎に罹患していることを疑う。肝炎は肝炎ウィルスで発症する。

肝炎ウィルスは血液を介して感染するので、彫師さんが使う器具が肝炎ウィルスに汚染されていると・・・


刺青入れた人はみんな肝炎ウィルスに感染してしまうのです。中には感染していないラッキーな人もいるけど、やはり感染している可能性が高い。


A型B型C型といろいろ肝炎ウィルスにも種類があるけど、中でも怖いのはC型。

インターフェロンとか治療薬はあるにしても、感染をほっとくと肝硬変や肝癌になってしまう。





血液を介して感染する、ということは、手術をする外科医にとっては重要なこと。

患者さんから感染しないように特に気をつけないと、自分や自分の家族が危険にさらされる。




ということで、刺青のある人を見ると

肝炎の可能性大→血を触らないように→あんまり手術とかしたくないなー

と非人道的なことを思ってしまうのです・・・刺青ある人だって人間なのに。


刺青彫ろうと思っている人は、肝炎ウィルスの感染のリスクを考えてから彫ったほうがいい。

彫るか彫らないかはその人しだいだけど。